ログイン  |   新規登録
パスワード紛失
ホーム     相談室     資料室     研究員コラム     お知らせ     Q&A     コンタクト    
 

メインメニュー

サイト情報
サイト管理者

namazu_master


研究員コラム - 南太平洋の大地震

南太平洋の大地震

カテゴリ : 
最近の地震
執筆 : 
sumitomo 2009-10-13 14:34
 9月29日、30日と合い続いてサモア諸島、スマトラ島沖でマグニチュード8.3、7.6、6.8の地震が起き、多数の犠牲者が出ています。おそらく1000人を越えるでしょう。特にスマトラ沖では2004年のマグニチュード9.3の巨大地震以来大地震が合い続いて起きており、多数の犠牲者が出ています。住宅の耐震化が進んでいない事によるとは分かっていても、なかなかそこまで手が回らない経済事情によるものでしよう。ここでは津波のことに限定して述べます。
 今回、サモアの地震では気象庁は津波注意報を出すまでかなり慎重でした。というのは震源地が6000km以上も離れた南太平洋での地震による津波でありますから不確定要素が多く、日本沿岸に影響があるかどうかの判断は難しいのです。そもそも南半球での地震津波が日本まで来るのかと思う人が多いと思います。実は日本では約50年前のチリ大地震津波で苦い経験があるのです。チリで大地震(マグニチュード9.5)が発生して、約一昼夜後に大津波が三陸海岸に突如押し寄せ多大の被害をもたらした事がありました。当時気象庁はノーマークでした。その後は津波に関して環太平洋で起きた地震に際しては津波情報が出されることになりました。チリの時はまさか日本から見て地球の裏側に起きた地震による津波が日本まで来るとはまさに想定外のことでした。
 その後の研究で、距離的には2万キロm(地球の円周は4万km)離れていても、震源地の対蹠点(正反対の位置)に相当する地域には大きな津波が到着することがあり得ることが分かってきました。つまり震源域から太平洋の沖に向かって射出された津波は震源から1万kmの地点までは拡散して波高は小さくなりますが、それを越えると地球が球であるため再び波は集まりはじめ波高も段々大きくなり、対蹠点地域では震源域での波高に近くなることがあるのです。南米のチリと日本の三陸海岸はまさに対蹠点に相当する地域だったのと、三陸海岸はリアス式海岸(湾奥が細くなっている)だったことも重なって大被害が生じました。もっとも震源での断層の方向にも関係して、津波の伝搬方向によって波高が異なります。
 今回日本に到達した津波の高さは数十cmだったのは、サモアと日本沿岸の位置関係によります、つまり日本の位置が幸いにもサモアでの地震断層が津波を射出した方向とは一致しなかった事によると考えられます。大事なことは遠く離れた外国での地震でも津波は日本まで到達する恐れが有ることを知っておく必要があります。太平洋上での津波の伝搬速度は凡そ時速700km(ジャンボジェット機の早さに近い)にも達します。それでも仮に地球の反対側から日本にやってくるとして、丸1昼夜を越える事も有ることを知っておく必要があると思います。また、今回の一連の地震活動は関係するプレート(太平洋プレートとインドオーストラリアプレート)が異なるので一応は関連がないとされていますが、サモアの地震は環太平洋の地震帯が活動期に入ったからかも知れないと言う見方をしている地震学者もいます。
 日本の太平洋沿岸の地震活動にも注意をしておく必要があるでしょう。残念ながら現時点ではこれらの地震を予知する技術は得られていません。インドネシアやサモアの地震に関して、我が国からも災害救助活動や緊急支援物資などの輸送が行われていますが、真の支援は地震予知などの地震対策技術支援でしょう。しかし、地震予知技術の確立には長い道のりがあると思われます。ですから、今急がれるのは地震に対する正しい知識の普及や耐震化への技術援助ではないかと思われます。むろん我が国としては一日でも早く地震予知技術の獲得を目指した研究がいっそう進められることを願っています。
(文責: 住友則彦)

トラックバック

トラックバックpingアドレス http://namazu.human.kobegakuin.ac.jp/jishinbousai/modules/blog/tb.php/7
 
Copyright (C) 2003 KOBE GAKUIN UNIVERSITY . All Rights Reserved.